グッドマンキッチン プログラミング事業と 地域に対する想い
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「受けた恩を忘れず、恩返しせよ」
私は森瓦店の三代目として高山で商売をさせていただいております。
森瓦店の前身を作ったのは私の祖父です。
祖父は敗戦後、捕虜としてシベリアに連行され、その後、高山に縁があり瓦屋を始めることとなりました。
そんな祖父の口ぐせは「受けた恩を忘れず、恩返しせよ」でした。
飛騨高山の方々のお陰で、森瓦店も創業70年余を迎えることができました。
高山という地域は、山に囲まれ、自然が豊かであり、昔の田舎では当たり前の光景ですが 自分の畑で作った野菜をおすそ分けしたり、子どもたちを地域で見守るようなしっかりとしたコミュニティが出来上がっていました。
ただ裏を返せば、コミュニティ色が強く、閉鎖的で外部からの情報も入りづらい地域だともいえます。
何をするにも世間の目が気になり、すぐ噂になる環境です。
チャレンジして失敗したら次の日には、半数以上の人が知っているような状況になります。
そのため、新しいことにチャレンジする人は少なく、既存のコミュニティを崩すような事に対しては、苦言という名でイノベーションが阻害される保守的な地域だとも感じています。
僕も東京などで色々な人たちと出会うまでは、安定した職業に就くことが正解だと思っていましたし、何よりも噂を恐れて、失敗しないように、どう生きるかを気にしながら生きていました。
お金を稼いで、リッチに生活する事に価値があると誤解していたのです。
もちろん、そのような考えもあっていいのだと思います。
ただ、僕にはお金より価値があるものを気づくチャンスが与えられました。 それは、一緒に起業するメンバーのお陰です。
仲間の大切さ。 空間や時間を共有する素晴らしさ。 お金はあくまでツールであること。
このほかにも、沢山のことを学ぶ事ができました。 そして、色んな地域を見てきたからこそ、昔にあった田舎の良さが薄れている事にも気づきました。
僕が子供の頃は、知らないおじさんに怒られたりして、地域で子どもたちを見守っていたし、地域での交流も盛んでした。 そこにはお金の価値では測れない、価値が存在していたと思うのです。
先輩たちがイキイキしていたら
せっかく、素晴らしい環境があるのに、そこに気づけない大人が多いと、子どもたちの可能性を狭めてしまうのではないかと思っています。
そのため、田舎で生まれ、素晴らしい環境で育ち、無限の可能性を秘めている子どもたちが、自分の環境をプラスに捉えて、広い視野を持ち、失敗してもよくて、チャレンジしやすい環境を作りたいと一昨年、飛騨信用組合様から融資していただき、プログラミングスクールを開講しました。
スクールは小学生を対象とし、チャレンジして改善していく楽しさを一緒に学んでいます。 ただ、学びの場だけでは変わらない現実もあります。
子供たちは、これから社会に出ていく先輩たちを見ています。
先輩たちがイキイキしていたら、自分も何かしたい!と、更に広い視野を持ちチャレンジしていけると思うのです。
一人の先輩として僕ができること
一人の先輩として、僕ができることはなんだろうと考え、この高山から、新しい価値を提供するビジネスを仕掛けることだという結論に行き着きました。
このビジネスは、銀行として融資のしにくい事業です。ましてや地方のベンチャーで名も無い僕たちが出資してもらえる可能性はとても低い事だと理解しています。
それでも、やる価値があります
高山という田舎からこのような新しい価値を提案するベンチャーが誕生する事で、高山はもっともっと活気づいてくると思うのです。
地域に何か還元したいという視点ではなく、世の中に対して僕たちの目指す価値を問う事で、結果として地域の良さが見直されて、地域に対して貢献できると思っています。
そして、夢だけで終わらないように、現実と向き合ってビジネスとしても、しっかりと結果を残し、次の世代へと繋げていきます。
僕としては、地域に対する想いより、次の世代に対する想いの方が遥かに強いです。
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