瓦屋根の良さ
たまには、瓦のことも書こうと思う

先日、瓦が好きな設計士さんと打ち合わせする事があり、
雑談の中で、瓦が最近では建物で使われなくなったという話題が出た。
設計士さんの感覚では洋風の家を建てる場合、
板金も洋風瓦もあまり選ぶ基準として差異がなく、どうしても瓦じゃないといけない理由がないとの事だった。
屋根材として魅力があるのは、やはり和瓦であり、鯉のぼりの歌で「甍の波」と言われるように独自の美しさがある。
その美しさは、他の屋根材では絶対に出せないし、その美しさを残していきたいと熱く語ってくれた。
『鯉のぼり』
1.甍(いらか)の波と 雲の波
重なる波の 中空を
橘香る 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり
瓦は美しい
鯉のぼりに歌われる情景を思うと、やはり和風建築といえば瓦屋根が似合う。
しかし、売り上げを考えると瓦屋根の魅力を発信するよりも、増加する洋風建築の需要を取り込む事の方が優先される。
僕たちが伝えるべきは、甍の波と比喩される瓦の美しさである。
瓦は美しい。
高山では僕の力不足もあり、和風建築でも屋根は板金が多い。
高山を山頂から見下ろすと、小京都と言われるような美しさはない。
本当の魅力を伝える努力を怠ると、和風建築であっても瓦離れがおきる。
どんな事業でも、やっていることの魅力や本質を理解しないといけない。
需要に身を任せると、その需要が終わると何も残らなくなってしまう。
この瓦の事例をみて再度、あなたのやっていることの魅力や本質を、考えてもらえると嬉しい。
世界をよりよく、おもしろく。